ホームページをリニューアルし、ウェブアクセシビリティJISの「等級AA」に準拠
サーバの安定稼働により業務継続性の向上を実現
「『ホームページは第2の市役所』表面的なWebアクセシビリティ対応に留まらず、より伝わる・伝わりやすい情報発信を行っていきたい」
我孫子市様ホームページ
千葉県我孫子市(以下:我孫子市)様は、市制45周年を迎えた2015年7月にホームページをリニューアルし、ウェブアクセシビリティJIS(JIS X8341-3:2010)の等級AA(一部AAAの達成基準を含む)に準拠しました。リニューアルにおいては、「4Uweb Webユニバーサルデザインソリューション」を採用し、自治体向けCMS「4Uweb/CMS」を導入しました。新しいホームページは操作性・閲覧性を追求しており、シンプルなデザインが利用者の好評を得ています。リニューアル後もホームページの改善・充実に取り組み、「みんなの公共サイト運用モデル」改定研究会にも参加されています。
インタビューの様子
我孫子市では、2014年度に「広報戦略の基本方針」を策定し、シティプロモーションの専門部署「あびこの魅力発信室」を秘書広報課内に新設しました。本部署は、市民と連携した活動を基本とし、民間から公募した室長を中心にテレビ・ラジオ・Web・動画などを活用した戦略的なプロモーション活動を展開しています。以前は、ホームページと広報紙メインの広報活動でしたが、2011年から人口が減少し、自治体として一定程度の人口を維持するために「シティセールス・シティプロモーション」の視点を取り入れることにしました。
トップページが随分変わったのでリニューアル直後は多くの問い合わせが来ることも予想していましたが、思ったほどではなかったので驚きました。これは「ホームページが見やすく、使いやすくなった証拠」だと受け止めています。新しいトップページは2カラムのスタイルを採用し、告知情報と市政情報を明確に分けたのですっきりと使いやすくなりました。手賀沼の魅力を表現したシンプルなデザインも好評です。
以前のCMSは管理機能に制限があると感じていました。その半面、コンテンツ編集機能に関しては書体や色、サイズなどが自由に作れるので、統一感のないホームページになっていました。職員に修正を依頼してもなかなか理解を得られず、Webアクセシビリティの確保が難しい状況でした。特に困っていたのは、サーバが不安定だったことです。自治体としてあってはならないことですが、選挙や災害発生時だけでなく平常時にもサーバがダウンすることがありました。
室長 齋藤 誠治様
やはり市民にかなりのご迷惑をおかけしていたので、次期システムの業者選定においては「ダウンしないシステム構成」「サポート体制」も評価ポイントとして加えることにしました。また、「Webアクセシビリティに精通していること」も必須条件でした。プロポーザル方式で複数の業者に提案いただいたところ、審査員の総合評価が最も高く、担当者の対応も良かったことから日立公共システムを選定しました。サポート体制がしっかりしており、「信用できるパートナー」だと確信したのです。機能が豊富で、Web関連知識がなくても簡単にコンテンツを作成できるCMS、大規模災害用トップページも決め手でした。
筧 ゆかり様
まずは不要ページの削除を行い、情報の分類を利用者視点で全体的に見直しました。その結果、もともと7,000ページ以上あったコンテンツを最終的に5,000ページにまで減らすことができました。これはSEの方が丁寧にアドバイスしてくれたおかげです。説明がわかりやすいので移行作業はスムーズに進行し、スケジュールの遅れは全くありませんでした。また、全職員を対象に行った「Webアクセシビリティ研修」も良かったです。研修の後、ある職員が「タイトルに色や画像を使ってはいけない理由がやっとわかった」と話しており、研修の効果を実感しました。今後も新しい概念や法律ができたりしますし、この研修は管理職も対象に含め定期的に開催したいと考えています。
主任 藤代 健一様
まず、サイト内検索がヒットしやすくなったので驚いています。市のイベントと子育てイベントを独立させた2種類のイベントカレンダー、一覧で見られる市内施設マップなども好評です。また、スマートフォン対応は実施していませんが、すっきりしたデザインなのでスマートフォンでも支障なく利用できるといった声が寄せられています。特に困っていたサーバの問題もすっかり解消されました。Webアクセシビリティ対応だけでなく業務継続性向上も実現できたので満足しています。
コンテンツ作成時に多くの職員が音声読み上げを試しており、視覚障がい者に対する意識の向上を感じました。これはやはり「Webアクセシビリティ研修」の成果だと思います。また、CMSが使いやすくて本当に助かっています。コンテンツの編集はパーツの組み合わせで行えるので、作成時に迷うことがなくレイアウトもくずれません。また、履歴保持機能により過去の状態に戻すことができて便利です。
他市の方々と、ホームページだけでなく広報活動についても意見交換ができたので大変勉強になりました。年1回の開催ですが、ふだん全国の自治体の方が集まる機会はないので、もっと頻繁に開催していただけたらうれしいです。
情報分類の見直しは完了しましたので、今後はコンテンツそのものをさらに充実させていく予定です。そのためにも、媒体の特性に応じた文章の書き方・写真の撮り方といった研修を取り入れて、職員のレベルアップを図りたいと考えています。また、外国人向けの情報発信を強化するため、多言語対応も検討中です。「ホームページは第2の市役所」という意識でコンテンツを充実させていけば、市民サービスの向上につながるだけでなく、問い合わせにかかる職員の負荷も軽減できます。表面的なWebアクセシビリティ対応に留まらず、私たち自身がシステムに追いつくよう努力し、より伝わる・伝わりやすい情報発信を行っていきたいと思います。
[ 2016年3月取材]
我孫子市は、北は利根川、南は都心から一番近い天然の湖沼「手賀沼」に挟まれた細長い形状をしています。JR上野東京ラインの開業により我孫子−東京間が最速38分で結ばれ、首都圏へ通勤する人々の住宅地としての役割が大きくなっています。手賀沼は、春の桜や夏の花火大会、野鳥の観察などが楽しめる憩いの場所として、市のかけがえのない財産となっています。四季折々の風景は多くの文化人を魅了し、優れた作品が数多く誕生しました。2015年には、市制施行45周年記念映像「物語の生まれるまち我孫子」が話題を呼び、全国広報コンクールでは千葉県の最優秀作品に選ばれました。
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