コンテンツマネジメントシステムと連携しデータカタログサイトを短期間で構築
地方創生を支えるオープンデータをめざす
「カスタマイズ不要でCMSと連携できたため、データカタログサイトを3ヵ月という短期間で構築できました。各課のデータ更新も効率的に行えています。」
新潟県新潟市(以下、新潟市)様は、2014年12月より市ホームページにてオープンデータを公開し、2016年4月には、データカタログサイト構築ソフトウェアの業界標準となっている「CKAN」をベースとした「新潟市オープンデータ検索サービス」を導入しました。その際、自治体向けCMS「4Uweb/CMS」の「オープンデータカタログサイト自動連携」機能を採用したことで、ホームページとデータカタログサイトの更新を同時に行うことが可能となり、職員の手間を軽減した、効率的なオープンデータ運用を実現しています。
係長 小杉 善一様
新潟市では、2014年に市長をトップとする「政策改革本部」を設置し、毎年度、政策の質の向上や業務効率化を図る取り組み行っています。その初年度の取り組みとして、スマートフォン・タブレット時代における行政サービスのあり方を「m-ガバメント戦略」として提言しました。具体的には、ごみ・防災・子育てに関する情報を手軽に取得できるスマートフォンアプリの公開や、市民・企業を含めた地域活性化を目的としたオープンデータの推進が挙げられます。私たちは、新潟市オープンデータの全体取りまとめを行っており、広報課・総務課統計係・企業立地課など複数の部署と連携して推進しています。
プロジェクトメンバー内ですぐに公開できるデータのオープンデータ化と、市ホームページにおけるデータ公開ページの作成です。2014年12月4日には、市ホームページにてオープンデータ公開を開始しました。
新潟市のホームページは、各課が自らコンテンツを作成しています。オープンデータの作成・公開も各課が担うため、データを保有する各課の理解が必要不可欠と考え、まずはプロジェクトメンバー内でスモールスタートし、ノウハウや知識を習得しました。
2015年度からは、各課に対してデータの公開候補調査を依頼し、本格的にオープンデータ化を始めました。すでに市ホームページで公開されている情報を中心に、CSVなど機械判読可能な形式への変換を呼びかけました。
正直なところ、戸惑いの声もありました。通常業務に加え、オープンデータ対応も行うことによる負担増への懸念、公開したデータがどのように使われるのかという不安の声がありました。
主査 牧野 堅太郎様
オープンデータの重要性・取り組みの必要性を理解してもらうための勉強会を開催しました。職員の関心は高く、市役所の大会議室が満員になりました。職員にはオープンデータの知識がない方もいますし、ICTリテラシーもさまざまです。勉強会も、フォローアップを目的に、期間をおいてから再度開催しました。オープンデータ施策を浸透させるために、今後も継続的に続けていきます。
オープンデータ対応の必要性は理解されたと思います。というのは、勉強会を終えてから各課からのデータ公開依頼が急増したのです。2014年の当初公開時に比べて公開数は倍以上となりました。
そこで、新たな問題に直面しました。公開するデータが増えたことにより、利用者が目的のデータを探しにくくなってしまったのです。また、私たちも更新作業に対処しきれなくなってしまいました。そのため、データカタログサイトの導入を検討しました。
新潟市オープンデータ検索サービス
「CKAN」は業界標準ですので、新潟市でもその流れに沿って選択しました。一般的に「CKAN」を導入するには、単独で環境構築し手動でデータを公開する方法と、CMSを利用し、ホームページの更新と連携させる方法があり、どちらを採用するかについては悩みました。
CMSとの連携には別途カスタマイズが必要だと思っていたのですが、日立公共システムから、「4Uweb/CMS」とデータカタログサイトの連携は製品の標準機能として提供できると伺い、安心して採用を決めました。市ホームページは、既に「4Uweb/CMS」で運用されており、各課職員の業務フローへの影響が最小限だったことも、職員の作業負荷軽減を求める私たちの思いと合致しました。
データカタログサイトの構築は、導入決定から公開までわずか3ヵ月で実現しました。CMSとデータカタログサイトの連携は、本来非常に大変なはずです。それにもかかわらず、計画どおり公開し、これまで特に大きな問題なく稼働できている点で、「4Uweb/CMS」連携を採用して良かったと思います。また、こちらの疑問などに対して、迅速に回答してくれた日立公共システムの対応に満足しています。
うれしかったのは、新潟市のオープンデータを活用するなど、ICTでもっと地元をよくしたいという民間団体(Code for Niigata)が立ち上がったことです。データが民間の活動に使われ、結果として利益に結び付き、新潟市のさらなる活性化につながればと思います。
実際、新潟市のオープンデータを活用したアプリも開発され、市ホームページで紹介しています。
一例ですが、「新潟市の魅力をより伝えられるように、観光・歴史文化・教育・安心安全のカテゴリを新たに設けたい」と担当課から相談を受け、カテゴリを新設しました。各課が自分たちのデータの中で、何を公開すれば市にとって効果的なのかを考える、そんな段階へ入ったと感じます。
今回「CKAN」でのデータカタログサイトを公開しましたが、今後は利用者の拡大を推し進めたいと考えています。「CKAN」は業界標準とはいえ、さらに発展していくものだと思いますので、「CKAN」のポテンシャルを発揮できるよう、日立公共システムに新しい情報や新しい形を提案してもらいながら、オープンデータ施策の更なる発展をめざします。
[ 2016年7月取材]
新潟市は、東京から上越新幹線で約2時間の場所に位置しています。市政施行以来みなとまちとして発展を続け、2007年には本州日本海側で初の政令指定都市となりました。国際空港や港湾、新幹線、高速道路網が整備された交通拠点であると同時に、国内最大の水田面積を持つ大農業都市でもあるという他の都市には見られない特徴を兼ね備えており、漫画やアニメの町としても知られています。
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