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健康的な活動の促進と食品ロス削減の取り組み

健康状態の可視化やインセンティブ、使い切り提案などによる健康的な活動の促進と食品ロス削減の実証実験

健康状態の可視化やインセンティブ、使い切り提案などによる健康的な活動の促進と食品ロス削減の実証実験

2023年2月、宮崎県内にて、経済産業省委託事業「令和4年度 流通・物流の効率化・付加価値創出に係る基盤構築事業(サプライチェーンの効率化及び食品ロス削減の事例創出)」の一環として、食品ロス削減に関する実証実験を行います。

今回の取り組み事例は、株式会社日本総合研究所・株式会社シルタス・某小売店舗と日立社会情報サービスによって、生活における健康的な活動の促進および家庭系・事業系の食品ロスの削減を支援するスマートフォンアプリのサービスが、消費者にどの程度受け入れられ、効果を出せるのかを検証する実証実験です。

取り組み概要

  • 2023年2月1日〜28日の計28日間にわたり、宮崎県にある某小売店舗(全9店)にて、募集モニター40名の協力のもと、効果検証を実施
  • スマートフォンアプリを中心に、ウェアラブルデバイスや体組成計を活用して健康状態を計測して可視化させたり、栄養バランスを考慮した食材の購入を促すクーポンを提供したりすることで、生活における健康的な活動を促進させられるのかを検証
  • 廃棄されやすい食材を使ったレシピや食材の使い切りを促すメッセージをスマートフォンに表示することや、クーポン活用による売り切り促進が、食品ロス削減に与える効果も検証

実証実験の全体像

【背景】

SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向け、
消費者が積極的に取り組む、家庭系食品ロスの削減が不可欠

国内における食品ロス量は、2020年度時点で522万トンに上り、それを企業などが排出する事業系(275万トン)と消費者が排出する家庭系(247万トン)でおよそ半々ずつ分け合っていると推計されています。2015年度以降、食品ロス量は減少しているものの、SDGs(持続可能な開発目標)の達成にはこれまで以上の削減が必要とされます。

特に、企業の食品ロス削減に対する行政や株主、そして消費者からの要請は高まっており、企業での取り組みは年々活発化していますが、今後もなお一層の注力が必要な状況です。

一方、消費者に対する外部からの働きかけは、自主的な取り組みを促す啓発活動を主とせざるを得ず、家庭系の食品ロス削減はあまり進んでいないのが実態です。

家庭系の食品ロス削減を加速させるには、消費者が喜んで食品ロス削減に取り組みたくようなアプローチを取り入れることが不可欠です。そのため、「もったいない」といった倫理観に訴えるばかりでなく、健康的な生活の実現をサポートするなど、消費者にインセンティブを感じられるサービスを提供し、そのサービスの利用によって同時に家庭系食品ロスも削減できるようにするといった方法の開発が求められています。

【具体的な実証実験の内容】

ウェアラブルデバイス・体組成計や購入履歴データに基づき
食材の購入を促すクーポンを発行

本実証実験は、健康状態に関連するデータを可視化することのほか、健康的な生活の実現のための三要素である「運動」「睡眠」「食事」の改善を促す行動を個人の健康状態に応じて提案したり、インセンティブによる動機付けを行ったりすることによる、生活における健康的な活動を促進する効果を検証するものです。併せて、食品の使い切りを意識させる機能による家庭系の食品ロスの削減と、クーポンの活用で商品を売り切ることによる事業系の食品ロス削減の効果も検証します。

本実証実験では、モニターに対し、スマートウォッチ型のウェアラブルデバイスで運動・睡眠データ、体組成計で身体データ(以下、運動・睡眠データおよび身体データを合わせて「健康関連データ」)を毎日計測します。そうして取得した健康関連データは、「ライフログデータ提供サービス」によって解析され、生活習慣を点数化した「体づくりスコア」および健康状態を点数化した「健康スコア」として、スマートフォンアプリ「SIRU+」に表示します。スーパーマーケット「マルイチ」で購入した食品の栄養バランスについても、SIRU+に自動連携される購入履歴データ(ID-POS)を基に可視化してスマートフォンに表示します。これらの結果を基に、栄養バランスを一人ひとりに最適化させた食材の購入を促すクーポンや、適切な運動・睡眠を行った際のクーポンを発行することで、生活における健康的な活動を促します。

また、廃棄されやすい食材を使ったレシピや食材の使い切りを促すメッセージをスマートフォンに表示し、食品ロス削減を図ります。

スマートフォンアプリ「SIRU+」のイメージ

各社役割分担

株式会社日本総合研究所 undefined本実証実験の全体設計・推進・効果検証
シルタス株式会社 undefinedSIRU+をベースとした消費者向けアプリケーションの構築
日立社会情報サービス undefinedライフログデータ提供サービスの提供

【検証テーマ】

今回開発したアプリのサービスが
消費者にどの程度受け入れられ、効果を出せるのかを検証

  • テーマ

    1

    健康状態の可視化による、健康的な活動の促進

    運動・睡眠・食事による健康状態を点数化するなどしてスマートフォンに表示し、適切な運動・睡眠の実施や継続、不足栄養素の摂取などを促すことで、生活における健康的な活動を促進させられるのかを検証します。

  • テーマ

    2

    インセンティブによる、健康的な活動の促進

    栄養バランスを考慮した食材の購入を促すクーポンや、適切な運動・睡眠を行った際のクーポンを発行します。こうしたインセンティブによって、生活における健康的な活動を促進させられるのかを検証します。

  • テーマ

    3

    食品の使い切り意識の促進による、家庭で発生する食品ロスの削減

    賞味期限・消費期限が短いなどの廃棄されやすい食材を使ったレシピを優先的に表示したり、レシピとともに食材の使い切りを促すメッセージも表示したりすることによる、食材の使い切りを意識させる機能が、食品ロス削減につながるのかを検証します。

  • テーマ

    4

    「栄養バランス」を訴求するクーポンがもたらす販促効果と店舗で発生する食品ロスの削減

    食材の購入を促すクーポンとして、栄養バランスを考慮したものと考慮していないものを発行し、それぞれの利用状況の比較から、栄養バランスを訴求することが、効果的・効率的な販促につながるのかを検証します。また、当該クーポンを活用して商品の売り切りを図ることによる、店舗での食品ロス削減への効果を検証します。

【今後の予定】

日立社会情報サービスでは、ウェアラブルデバイスやIoT家電・スマートセンサーから取得するライフログデータを活用して、新たな価値やサービス事業創出に貢献し、社会課題の解決やQOL向上に寄与していきたいと考えます。

お客さまメモ

株式会社日本総合研究所

日本総研は、より高く大きな観点から将来を見通しビジョンを提示、変革が実現するまでの支援を行うシンクタンクです。経済・社会の本質を的確に捉えるリサーチ、時代に求められる産業を創造するインキュベーション、持続的な成長の基盤を構築するコンサルティング、そしてデジタルイノベーションを実現させるITソリューションという機能を、SMBCグループの総合力を活用しながら日本の産業社会に提供しています。

シルタス株式会社

買い物データから栄養管理をするスマホアプリ「SIRU+(シルタス)」を運営。「SIRU+」は、買い物データを自動で栄養分析し、栄養バランスが整う食材やレシピをオススメします。繰り返し利用することで、食の好みをアプリが機械学習し、個人の食生活に合わせて最適な買い物を提案します。日常生活の一部である買い物から健康的な食生活をめざす「頑張らないヘルスケアアプリ」です。

握手

業界を超えた多様なパートナーとの協創事業を通じて、
生活者やサービス事業者への価値を提供するためのサービスをめざします。

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