「ハッカソンって、エンジニアの腕試し?」
そんなイメージを持たれることもありますが、当社がこのハッカソンに参加した理由は、もっと先の未来を見据えたものです。
当社は、ITサービスの運用・保守領域で長年の実績を持ち、現場の負荷を軽減するための技術とノウハウを積み重ねてきました。しかし、社会やビジネスの変化は加速しており、これまでの延長線上だけでは、すべての課題に対応しきれない時代になっています。
そこで当社は、AIの力を取り入れることで、運用・保守の現場をさらに進化させ、社会全体をもっと明るく、もっと前向きにできるのではないかと考えました。今回のハッカソンは、そんな思いを形にするための挑戦です。
ServiceNowのAIプラットフォームを活用し、人とAIが協働する新しい仕組みを探ることで、当社の技術を“最新化”し、さらに“成長”させる一歩にしたいと思っています。
以下は、ハッカソンへの挑戦についてまとめたコラムです。
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「夜を越えて、AIとともに。Hackathon 25への挑戦」
2025年夏。
一つのチームが、静かに動き始めた。
舞台は、ServiceNow Japanが主催する開発コンテスト「Hackathon 25」。
テーマは「Where the world puts AI to Work」。
世界がAIを業務に生かす時代に、彼らは“現場のリアル”を武器に挑む。
きっかけは、社内の情報システム部門が抱える悩みをヒアリングしたことだった。
夜間の障害対応、属人化したノウハウ、IT人材不足??
「このままでは、誰も安心して働けない」
そんな不安と向き合いながら、彼ら・彼女らはつぶやいた。
「AIに助けてもらえたら…」
その声に、仲間が集まった。
部署を越えて、世代を越えて。
Teamsでの深夜の議論、休日の自主勉強会。
彼らは、AIエージェントによる“自律的な業務実行”という未来を描き始めた。
完成したアプリケーション名は、「Agent Pico」。チーム内では、「Pico」と愛称を付けてプロジェクトを進めた。
アプリケーション内に存在する15種類のAIエージェントは、それぞれの特長が異なり、利用用途に応じて使い分けができるようになっている。
「Pico」は3つの強みを持つ。
(1)人間は創造・AIはサポート
「障害対応よろしく!」
その一言で、AIエージェントが自律的に障害対応を開始する。
担当者はその間、別の創造的な業務に集中できる。
以前はすべて手作業だった障害対応も、既知のケースでは工数を8割削減。
AIエージェントが“働く仲間”になる時代が、すぐそこまで来ていることを実感した。
(2) AIエージェントの自己改善提案
AIの活用を“ただの自動化”で終わらせない。
AIエージェントが自らの動作を分析し、パフォーマンス改善提案を行う。
高度な監視と分析が、質と効率を飛躍的に高めていく。
そして今、学び続けるAIは、業務の未来を支える存在へと進化を遂げようとしている。
(3)他分野への応用可能性
「Pico」は、障害対応にとどまらない。
業務の標準化・自動化が求められる分野なら、どこにでも応用可能。
例えば、問い合わせ対応、定型業務、レポート作成など。
「この仕組み、うちでも使いたい」ーーそんな声が聞こえてくる日も近い。
ここまでの道のりは決して平坦ではなかった。
まずは、限られた時間との戦い。コンテストの締切まで、残された時間はわずか。
業務の合間を縫って、夜間や休日に開発を進める日々。
「やるしかない」ーーその一心で、チームは走り続けた。
さらに、エージェント間の連携。複数のAIエージェントが連携する仕組みは、簡単ではなかった。
ループしないように設計し、順序性を担保するために何度もテストと修正を繰り返した。
「動いた!」その瞬間、チームの歓声が上がった。
今回の挑戦が、誰かの働き方を変えるきっかけになることを信じてーー
当社の挑戦は終わらない。
ハッカソンチームメンバー手作りのアプリケーション内のエージェントをイメージしたキャラクター