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脱Excel時代のデータ分析 今あるExcelを活用する新技術とは

バックオフィスを変える脱Excel時代のデータ分析:今あるExcelを活用する新技術とは バナー画像

当社は、2025年3月26日、「無くせないExcel運用、今あるExcelを活用し、生産性向上につながるデータ分析の実現方法とは?〜異なるフォーマット・大量のファイルを一気に変換し、集計や分析の手間を解消するサービス〜」と題したセミナーを開催しました。今回はその講演内容のポイントについてご紹介します。

1.バックオフィスが直面するExcel運用の課題と脱Excelへの一歩

まず、Excelを使用した業務の課題と、それを解決する新しいアプローチについてお話しします。多くの企業で使用されているExcelは、便利な一方、データ量の増加や分析の複雑化に対応しきれていないのが現状です。ここでは、その限界を超える技術に注目します。
Excelには一般的に、「既に導入済みであり、新たなコストは一切不要」「日常業務で広く利用されている」「トレーニングも不要」といったメリットがある一方で、「大量データ処理の遅さ」「異なるデータソースの統合の難しさ」「複数メンバーでの同時更新・共有時のトラブル」「高度な分析機能の限定性」などのデメリットが存在します。

Excelのメリット・デメリット

実際の業務現場ではどうしているかというと、(1)定期的なシステムデータの確認、(2)複数ファイルにまたがる数値の集計、(3)効果的なグラフ作成のための試行錯誤、(4)システムデータを所定フォームに転記するといった作業で多くの時間と労力が費やされています。これらの作業は、単純作業でありながらも人の手で行うと意外に時間がかかり、俗人化しやすく、ミスも発生しやすいなど、品質担保が難しい状況です。

Excelの苦労とは?

こうした課題を解決するため、「脱Excel」という動きが出てきました。BIツールや専用システムへの移行などがその一例です。しかし実際には、多くの企業でExcelは欠かせないツールとして残り続けています。長年使い慣れたExcelを手放すことは難しく、半永久的になくならないと考えられています。そこで注目すべきは、Excelをなくすのではなく、その限界を超えて活用するという方法です。

2.脱Excelを支援するバックオフィスのデータ処理技術

次に、異なるフォーマットのデータを効率的に扱う技術に焦点を当てます。Excelファイルや外部データの集計に時間がかかることは、バックオフィス業務の大きな悩みです。この技術がどのように作業時間を短縮するか見てみましょう。
「超xlsサービス」は、Excel運用を残しつつ、集計や分析の手間を大幅に削減するサービスです。2019年にリリースされたこのサービスは、「Excelの苦労から一人でも多くの人を助ける」という理念のもと開発されました。 このサービスの特徴は、現行のExcel運用を生かしながら、データの加工・集計・分析の部分を効率化する点にあります。
例えば残業管理では、従来は勤怠管理システムからデータを抽出し、所属ごとに分割して部門・本部別に集計し、定型資料を配布するプロセスが月に3-4日かかっていました。しかし「超xlsサービス」を導入することで、データが自動的に日々更新され、分析画面で必要な情報をすぐに閲覧できるようになり、処理時間は数分に短縮されました。

活用イメージ@残業管理

また業績管理においても同様の効果が見られます。
Excel入力用のクロステーブル(集計表)をそのまま活用しながら、「セルフETLアシスタント」という機能でデータをデータベースやBIツールに取り込みやすい形に自動変換できます。これにより、クロステーブルの見やすさを保ちながら、データの統合・分析の効率化が実現できます。

活用イメージA 業績管理

「超xlsサービス」の導入によって得られる9つのメリットとして、
(1)手作業・Excelマクロの削減
(2)データの民主化(セルフ型分析)
(3)分析要請への柔軟性
(4)リステートの簡素化
(5)データ提供の迅速化
(6)新システム開発時の「帳票」簡素化
(7)パッケージソフトへのアドオンレス化
(8)メールレス化(メール配信の削減)
(9)ペーパーレス化
が挙げられます。

「超xlsサービス」導入の9つのメリット

3.バックオフィスで生かせる手軽なデータ分析ツール

さらに、「超xlsサービス」のデータ分析を行う仕組みについて触れます。専門知識がなくても使用できるツールは、バックオフィス業務の効率化だけでなく、新たな気づきを生み出す力があります。
「超xlsサービス」は、主要コンポーネントとして「Qlik Sense」というデータ分析ツールと「セルフETLアシスタント」を備えており、コミュニティによるサポートも充実しています。このサービスは年間サブスクリプション形式で提供され、例えば開発・閲覧5ユーザー、閲覧10ユーザーの場合、年間標準価格は99万6,000円となります。
デモンストレーションでは、実際にQlik Senseを用いたデータ分析の流れが紹介されました。 複数のExcelファイルやCSVファイルを取り込み、自動的に関連付けを行う機能が特徴的です。この「連想技術」はQlik製品の特許技術であり、他のBIツールにはない優位性を持っています。 取り込んだデータは簡単な操作でさまざまなチャートに変換でき、直感的な分析が可能です。例えば、企業全体の業績状況を把握したり、月別や部門別で絞り込んだりといった操作が容易に行えます。これにより、今までExcelで行っていた複雑な集計作業が大幅に効率化され、データに基づいた意思決定が迅速に行えるようになります。

「超xlsサービス」は、Excel以外にもMicrosoft SQL Server、Oracle、MySQL、PostgreSQL、Amazon Redshift、Google BigQueryなど、さまざまなデータソースからデータを取得できるため、企業内の多様なデータを統合して分析することが可能です。

4.データ分析で脱Excelを実現した導入事例

最後に、実際の「超xlsサービス」導入事例と、そこから見える効果を考えます。
最初の事例は、ある企業グループにおける共通基盤としての導入例です。従来はグループ企業各社で独自に分析運用を行っており、似たような分析を各社で行っているにもかかわらず流用・共通化できていない状況でした。「超xlsサービス」を導入することで、グループ全体の共通基盤として約30部門、約35,000ユーザーが利用するシステムを構築。各社固有の情報はアクセス権限によって保護しながら、共通の分析基盤を活用できるようになりました。

超xlsサービス@ ー某企業グループの共通基盤ー

次の事例は、IT業界における働き方改革の支援です。
2019年4月からの働き方改革関連法案施行に伴い、時間外労働の規制が開始されました。特に「連続する2〜6カ月の平均が80時間以内」という規制は直感的に把握しづらく、Excel集計だけでは対応が難しい状況でした。
そのため、「超xlsサービス」を導入することで、個人画面では自分の残業可能時間がすぐにわかり、管理者画面では全体のKPI違反者数の把握や詳細分析が可能になったのです。
その結果、2018年度から2019年度にかけて年間総労働時間が平均35時間/人削減されました。

超xlsサービスA ー「働き方改革」の羅針盤 勤怠管理の充実と作業時間分析ー

3つ目の事例は、家電製造・販売業におけるデータ活用です。
ERPからの販売実績データ、受注残検索システムからの販売見込データ、Excelで管理されていた家電販売シェアデータなど、異なるソースのデータを「超xlsサービス」で統合し、一つのアプリケーションで分析できるようにしました。これにより、業績会議資料作成の時間が大幅に短縮され、約50名の参加者がリアルタイムで最新データを参照できるようになりました。

5.まとめ:バックオフィス革新を支えるデータ分析の未来

以上、Excelを活用しながらデータ分析を進化させる技術のポイントをお伝えしました。バックオフィス業務の効率化をめざす企業にとって、脱Excelと共存する道は現実的かつ効果的です。新技術がもたらす未来をぜひ検討してみてください。
「超xlsサービス」は、コンセプトとして「Excelの苦労から、一人でも多くの人を助ける」を掲げており、人事総務部門、コンプライアンス業務、業績管理など、あらゆる部門の業務改善に役立てられます。働き方改革、人財マネジメント、コロナ対策・リモートワークなど、現代企業が直面するさまざまな課題に対応できる柔軟性を持っています。
本セミナーを通じて紹介された技術とサービスは、既存のExcel運用を否定するのではなく、その良さを生かしながら限界を超える方法を示しています。バックオフィス業務においても、デジタルトランスフォーメーションが加速する今だからこそ、こうした「今あるものを生かす」アプローチが重要であり、効果的な改革への第一歩となるでしょう。

本セミナー動画・資料をダウンロードできます

【マジセミ×業務自動化・効率化】
無くせないExcel運用、今あるExcelを活用し、
生産性向上につながるデータ分析の実現方法とは?

マジセミ×業務自動化・効率化 動画・資料イメージ

異なるフォーマット・大量のファイルを一気に変換し、集計や分析の手間を解消するサービスについてご紹介します。
無くせないExcel運用やExcel運用の課題、Excelを活用し生産性向上・高度なデータ分析を実現するツールなど、Excelを使い続けているが苦労を感じている方や、新しいツールを導入したが、思うように浸透しないと感じている方に特におすすめの内容です。
※2025年3月26日に開催されたマジセミ×業務自動化・効率化内でのセミナー動画・資料です。

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