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Vol.1 電子透かし・ウォーターマークとは?仕組み・メリット、用途例、埋め込み方法、活用事例を解説

電子文書(PDFファイル)に、見えない”透かし情報”を埋め込むことにより、情報漏えい抑止や不正利用防止など、電子文書のセキュリティ対策を支援します。

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電子透かしソリューションに関するご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

電子透かし・ウォーターマークとは?

電子透かしとは?わかりやすく解説

電子透かし(英語:electronic watermarking、別名:ウォーターマーク)とは、画像や動画、音声などのデジタルコンテンツに、見た目ではわからない透かし情報を隠して埋め込む技術のことです。透かしの種類は複数あり、さまざまな情報を埋め込むことができます。例えば、ユーザー情報、データ提供元、データ提供先などです。音楽データに電子透かしを埋め込む場合は、ノイズのような形で埋め込みます。

電子透かしとはの画像

電子透かしの目的

電子透かしを埋め込む目的は以下の通りです。

  • 【目的1】著作権保護(著作物の不正利用防止)、複製やコピーの防止(コピーガード)
  • 【目的2】改ざんの防止
  • 【目的3】情報漏えい時のトレーサビリティ
  • 【目的4】情報漏えいの抑止(セキュリティ対策の強化)

【目的1】著作権保護(著作物の不正利用防止)、複製やコピーの防止(コピーガード)

デジタルコンテンツは簡単にコピーできてしまうことから、不正行為が後を絶ちません。そのような中で、著作権保護の仕組みとして、電子透かしを活用することができます。デジタルコンテンツを不正にコピーした際、あらかじめ埋め込まれている電子透かしもコピーされるため、権利の主張や不正行為の抑止やけん制に有効です。

【目的2】改ざんの防止

電子データの中には、契約書、見積書、請求書など重要な書類が無数に存在します。そういった電子書類は、監査対応などを目的に悪意ある改ざんが行われるケースがあります。
しかし、電子データに電子透かしが埋め込められていると、電子透かしも改ざんにより変化しますので、改ざんされたことを証明できます。その結果、改ざんの証明や抑止につながります。

【目的3】情報漏えい時のトレーサビリティ

電子透かしは、電子データがいつ、どこで、だれによって作成されたのか?誰から誰に渡ったのかなどの「情報流通経路」が後追いできます。そのため、情報漏えい時におけるトレーサビリティを維持できます。

【目的4】情報漏えいの抑止(セキュリティ対策の強化)

電子透かしは情報漏えいの抑止を目的に活用されます。情報漏えい対策といえば、フィルタリング(Web・メール)やUSBを使用できないようにする、ファイヤーウォールの設定などが挙げられますが、これらの情報漏えい対策は、悪意を持った人間はすり抜けることができます。しかし、電子透かしは、消すことができない上に、悪意を持つ人への抑止効果を発揮します。また、仮に悪意がなくても、電子透かしにより、情報漏えいの意識向上(電子データの利用の心理的制限)に寄与します。

電子透かしの仕組み・原理

電子透かしの仕組み・原理は、デジタルコンテンツ(データ)に人の目や耳では判別できない情報を埋め込む技術を活用しています。例えば、画像データの場合、 人間の目では判別できないように電子透かしを埋め込みますので、見た目だけでは埋め込まれていることが全くわかりません。そういった技術を活用しているのが電子透かしの仕組みです。なお、抑止力を強化したい場合などでは、電子透かしが埋め込まれていることを「わざと」わかるようにすることもあります。

電子透かしと電子署名の違い

電子透かしは、デジタルコンテンツに対して直接情報を埋め込みます。電子署名は、デジタルコンテンツを元にして付加(ハンコ・名前・証明書など)情報を埋め込みます。そのため、電子署名は、コンテンツ(データ)とは別の場所に埋め込み、コンテンツ全体を暗号化して鍵をつけるような形になります。

電子透かしのメリット一覧表

電子透かしのメリットは下記の一覧表の通りです。

電子透かしのメリット一覧表

転用しにくい

電子透かしにより、自分の所有物であることを主張できるため、二次利用・転用を防ぎ著作権を保護できます。

トレーサビリティ 情報漏えいが発覚した場合、その漏えい経路を後追いできます。犯人特定、事故の原因特定の手がかりになります。ただし、漏えい経路を確実に特定できるというわけではありません。
抑止効果 電子透かしを「わざと」見えるように埋め込むことで、抑止効果を発揮します。悪意ある人に対しても抑止効果が期待できます。
原本保証 データの原本に電子透かしを埋め込むことにより、かいざんを検知し、それにより原本を保証することができます。

電子透かしのデメリット一覧表

電子透かしはメリットばかりではありません。デメリットもあります。

電子透かしのデメリット一覧表
電子透かしツール 電子透かしを埋め込む・読み取るツールが必要になります。
統一規格がない 電子透かしツールに統一規格がないため、汎用性がありません。しかしながら、他社の電子透かしツールを自由自在に読み取れるようになると、電子透かしを隠している場合、意味がなくなります。

電子透かしの種類

電子透かしにはさまざまな種類があります。その代表例をご紹介します。

地紋透かし

電子文書の背面に ドットパターンで挿入するのが地紋透かしです。ドットパターンには作成者、作成日時、ファイル名、配布先名の情報を含みます。ドットパターンのため見た目では何の情報が入っているかわかりません。

参考情報

当社の電子透かしソリューションでは、電子文書だけではなく印刷物からも透かし情報を読み取ることができます。

地紋透かしは下記のように3種類から地紋の表示方法の選択が可能です。

参考情報

当社の電子透かしソリューションでは、地紋透かしは電子透かしでは必須の透かしで、電子文書に必ず埋め込む仕様となっています。

その他の任意の透かし

その他、下記のような電子透かしがあります。全て任意で、文書の任意の場所に埋め込むことが可能です。

参考情報

電子透かしの画像への埋め込みは、当社の電子透かしソリューションの特徴的な機能の1つです。

電子透かしを埋め込む方法「電子透かしソリューション」

それでは実際に電子透かしを埋め込む方法をご紹介します。なお、Word、Excel、Power Pointにも電子透かしを埋め込む機能がありますが、ここでは、より強固な埋め込み方法をご紹介します。

「電子透かしソリューション」とは?

「電子透かしソリューション」は、電子文書(PDFファイル)内に、ユーザー情報・データ提供元・データ提供先などの情報を、”透かし情報”として埋め込むことができるツールです。万が一流出した場合も、データの所有者を特定したり、漏えいの追跡も可能です。

特徴

「電子透かしソリューション」には大きく2つの特徴があります。

電子透かしソリューションの2つの特徴
データ提供元の証明 電子文書(PDFファイル)内に、「データの提供元」「データの提供先」を埋め込めます。データ提供先が勝手にWebサイトに提供データを公開したとしても、データ提供元の記録が文書に残るため、所有者の権利主張が可能となります。
流出したデータの出所を特定 電子文書(PDFファイル)内にユーザーの情報(作成者・システムから取り出したユーザー)を埋め込めます。データが流出した際でもデータの所有者が特定されるため、2次転用のリスクを最小限に抑えることが可能です。

電子透かしまとめ

以上、電子透かしの基礎や埋め込む方法、メリット・デメリット、種類などを詳しく解説しました。御社の情報漏えい対策の強化や重要なコンテンツの不正利用抑止などに活用できる可能性があります。ぜひ一度、ご検討ください。

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