【2025年最新版】
情シスアウトソーシングの完全ガイド
〜企業の負担軽減とコスト削減を実現する選択〜
情シス業務のアウトソーシングは、IT人材不足や業務負担の軽減、コスト削減など多くの企業が抱える課題解決に効果的な手段です。
本コラムでは、情シスアウトソーシングの基礎知識から選び方、成功事例まで網羅的に解説します。
また、当社のOpeLightサービスが提供する情シスアウトソーシングソリューションについても詳しくご紹介します。
目次構成
- 情シスアウトソーシング とは:基本から理解する外部委託の仕組み
- (1)情報システム業務の範囲と現代企業が直面する課題
- (2)システム運用アウトソーシングの定義と活用シーン
- (3)コロナ禍以降のリモートワーク普及と情シスアウトソーシングの需要拡大
- 情シスアウトソーシングのメリット・デメリット:企業経営の視点から
- (1)経営者視点でのメリット:コスト削減とリスク管理
- (2)情シス部門にとってのメリット:業務効率化と専門性の向上
- (3)アウトソーシングの潜在的リスクと対策
- 情シスアウトソーシングの種類と選び方:自社に適したサービスの見つけ方
- (1)アウトソーシングの形態:全面委託と部分委託の使い分け
- (2)委託できる業務範囲と代表的なサービス
- (3)サービス選定の重要ポイント
- 情シスアウトソーシングの成功事例と失敗から学ぶポイント
- (1)業種別成功事例:課題解決とビジネス成果
- (2)アウトソーシング失敗の主な原因と対策
- (3)アウトソーシング成功のための段階的アプローチ
- 情シスアウトソーシングの今後の展望と導入ステップ
- (1)DXとクラウド化がもたらす情シス部門の役割変化
- (2)AIとRPA活用による運用自動化の進展
1.情シスアウトソーシング とは:
基本から理解する外部委託の仕組み
(1)情報システム業務の範囲と現代企業が直面する課題
情報システム部門(情シス)は、企業のIT戦略立案から日常的なシステム運用まで幅広い業務を担当しています。デジタル化が加速する現代において、情シス部門の重要性は増す一方ですが、多くの企業ではIT人材不足や業務の複雑化による負担増加という課題に直面しています。
特に中小企業では「ひとり情シス」状態となり、担当者への過度な負担や業務の属人化などの問題が発生しています。
(2)情シスアウトソーシングの定義と活用シーン
情シスアウトソーシングとは、企業の情報システム部門の業務の一部または全部を外部の専門企業に委託することです。システム運用・保守からヘルプデスク対応、ITインフラ管理まで幅広い業務を外部リソースで効率的に運用できます。
特に、人材リソースが限られている中小企業や、情シス部門の担当者がコア業務に集中したい企業にとって有効な手段となります。
(3)コロナ禍以降のリモートワーク普及と情シスアウトソーシングの需要拡大
新型コロナウイルスの流行以降、リモートワークの普及に伴い企業のITシステム環境は急速に変化しました。社内のIT環境整備やセキュリティ対策の強化が急務となる中、専門的なノウハウを持つ外部パートナーへの委託ニーズが高まっています。
特にクラウドサービスの活用や、セキュリティ対策の強化といった専門領域での支援が求められています。
2.情シスアウトソーシングのメリット・デメリット:
企業経営の視点から
(1)経営者視点でのメリット:コスト削減とリスク管理
情シスアウトソーシングを行うことで、経営者視点ではコスト削減やセキュリティリスクの管理といった面でメリットを得られます。
・固定費から変動費へのコスト構造改革
システム運用部門を社内で維持するには、人件費や設備投資などの固定費が発生しますが、アウトソーシングを活用することで、これらのコストを必要な分だけの変動費に転換でき、経営の柔軟性を高めることができます。
中小企業にとっては特に、専門人材を社内で確保するよりも効率的な選択肢となります。
・最新技術へのアクセスとリスク分散
専門企業にアウトソーシングすることで、その企業が持つ最新のIT技術や知識を常に活用できます。また、システム障害や情報セキュリティリスクを専門家と分担することで、企業全体のリスク管理を強化することが可能です。
(2)情シス部門にとってのメリット:業務効率化と専門性の向上
情シス部門にとってのメリットとしては、コア業務に集中できることや属人化の防止を通じた業務効率化、安定稼働の実現が挙げられます。
・コア業務への集中とイノベーションの創出
日常的な運用保守やヘルプデスク業務を外部委託することで、情シス担当者は戦略立案やデジタルトランスフォーメーション(DX)推進といったコア業務に集中できます。
これにより、ITを活用した新たなビジネス価値の創出が可能になります。
・業務の属人化防止と安定稼働の実現
特定の担当者に依存した業務体制では、その担当者の不在時にシステムトラブルが発生すると対応が遅れるリスクがあります。アウトソーシングを行うことで、複数の専門家がバックアップする体制を構築でき、システムの安定稼働と業務の継続性を確保できます。
(3)アウトソーシングの潜在的リスクと対策
一方で、情シスアウトソーシングにはコンプライアンス面やコミュニケーションギャップの点で懸念もあります。
・情報セキュリティリスクとコンプライアンス対応
外部委託に伴う情報漏洩リスクや法令遵守の面で課題があります。
これらのリスクを軽減するためには、委託先の選定時にセキュリティ体制や認証取得状況を確認するとともに、適切な契約や定期的な監査を行うことが重要です。
・コミュニケーションギャップの解消方法
社内と外部委託先とのコミュニケーション不足が課題となることがあります。
こうした課題は、定期的な報告会や共通のプロジェクト管理ツールの活用、SLA(サービスレベル合意書)の明確化によって解決できます。
3.情シスアウトソーシングの種類と選び方:
自社に最適なサービスの見つけ方
(1)アウトソーシングの形態:全面委託と部分委託の使い分け
情シスアウトソーシングには、業務全体を委託する「全面委託」と特定の業務のみを委託する「部分委託」があります。
全面委託は情シス機能の大部分を外部化するもので、部分委託は運用保守やヘルプデスクなど特定業務のみを委託します。自社の状況や目的に応じて適切な形態を選択することが重要です。
(2)委託できる業務範囲と代表的なサービス
・ヘルプデスク・ユーザーサポート
社内ユーザーからのIT関連の問い合わせ対応や障害の一次切り分けを行うサービスです。具体的には、業務システムや業務ツールの操作方法、PC設定方法、システム障害などに対応します。リモートでの対応が主体となり、電話やチャット、メールなどで問い合わせに対応します。
PCキッティング、IT資産管理、資料作成、各種アプリ導入サポート、WebサーバやWebサイトの保守・運用、IT相談・アドバイスなども委託可能です。
・システム運用・監視サービス
サーバ、ネットワーク、データベースなどのITインフラ全体の管理や運用を担当します。具体的には、24時間365日体制でのサーバやネットワークの状態監視、ログ監視、セキュリティ対策の実施、障害対応、パフォーマンス監視などを行います。
障害を検知した際に即時対応し、アラート検知時の一次切り分けや手順書に基づいた復旧作業を行うサービスもあります。
・情報セキュリティ対策
情報セキュリティ対策のアウトソーシングでは、不正アクセスやデータ漏洩を防ぐためのセキュリティ対策の実施、セキュリティシステムの導入・運用、セキュリティリスクの評価、インシデント対応などを実施します。
ウイルス対策ソフトの導入・管理、セキュリティパッチの適用、ログ監視などのほか、最新の脅威動向を踏まえた対策提案も行います。
(3)サービス選定の重要ポイント
情シスアウトソーシングのサービスを選定する際には、以下のポイントを押さえることが重要です。
・対応範囲とSLA(サービスレベル合意)の確認
まずはサービス提供範囲(ヘルプデスク対応、インフラ管理、セキュリティ対策など)が自社のニーズに合致しているかを確認します。
また、サービスレベルを明確にした契約(SLA)を結ぶことも重要です。SLAは、サービス品質や対応時間に関する約束事を明文化したものであり、特に以下の点を確認しましょう。
- 対応時間:24時間365日対応か、平日のみ対応か
- インシデント対応時間:障害発生時の一次対応や復旧目標時間
- エスカレーション対応:問題が解決しない場合の対応フロー
- ペナルティ条項:SLAを満たせなかった場合の補償の有無
・料金体系と費用対効果の分析
初期費用・月額費用・オプション料金などの料金体系を確認し、自社にとっての費用対効果を分析します。主に「月額固定型」と「従量課金型」があり、月額固定型は毎月一定の料金を支払う方式で、依頼した業務量にかかわらず同額の費用が発生します。従量課金型は、アウトソーシングの利用時間に応じて料金を支払う方式です。
価格だけを選定基準にするのではなく、提供されるサービス内容とコストを比較し、コスト削減効果や業務効率化の度合いを総合的に評価することが大切です。
・実績や専門性、担当者の質
委託先の過去のプロジェクト実績や同業他社での成功事例を確認します。特に、自社の業界やニーズに合った経験があるかが重要です。
提供者が得意とするITサービスの領域がニーズと一致するかを確認し、特定の技術やサービスモデル(クラウドサービス、データセンター管理など)に関する深い知識があるかを確認しましょう。
また、担当者の対応力やコミュニケーション能力も重要な選定ポイントです。
4.情シスアウトソーシングの
成功事例と失敗から学ぶポイント
(1)業種別成功事例:課題解決とビジネス成果
以下では、製造業とサービス業における情シスアウトソーシングの成功事例をご紹介します。
・製造業:生産管理システムの安定稼働実現
ある製造業の企業では、24時間稼働の製造ラインを支える生産管理システムの運用保守にかかわる工数が多く、システム障害のリスクにもさらされていました。
そこで運用保守のアウトソーシングを活用したところ、システム障害によるライン停止リスクを軽減できました。さらに、情シス担当者が新規システム導入に集中できるようになり、生産効率化を実現しました。
・サービス業:働き方改革とコスト削減の両立
あるサービス業の企業では、自社の専任体制で運用を行っているため、夜間、休日作業の要員が不足しており、運用負担が大きく本来の業務に手が回らない課題がありました。
そこで、夜間・休日対応をリモート運用サービスに委託したところ、自社内の要員不足を解消でき、情報システム担当者の負担軽減と働き方改革を推進できました。同時に固定人件費削減にも成功しています。
(2)アウトソーシング失敗の主な原因と対策
情シスアウトソーシングは必ず成功するわけではなく、以下の要因により失敗に終わることもあります。
・曖昧な要件定義と期待値のミスマッチ
アウトソーシングを導入する際に、委託する業務範囲や成果物に関する要件が曖昧なまま契約を結ぶと、問題が発生しやすくなります。
例えば、「インフラ管理もやってくれると思っていたが、実際はヘルプデスク対応のみだった」「期待していたスピード感やサポート品質が得られない」といったミスマッチが発生することがよくあります。
こうしたトラブルを避けるためには、明確な要件定義とKPI設定が重要です。
・コミュニケーション不足によるトラブル
情シス業務を社外のベンダーに任せる際に、適切な情報共有ができていないとトラブルが発生しやすくなります。
よくあるトラブルとしては、「社内の業務状況を理解してもらえない」「トラブル発生時に、どの担当者に連絡すればよいのか不明確で対応が遅くなる」といったものがあります。
定期的な報告会や進捗の確認、連絡ルートの明確化など、適切なコミュニケーション体制を構築することが重要です。
(3)アウトソーシング成功のための段階的アプローチ
アウトソーシングを成功させるためには、以下の対策をとることが効果的です。
・現状分析と課題の可視化
まずは自社のIT業務の現状を正確に把握し、課題を明確にすることが重要です。以下のステップで現状を分析しましょう。
- 業務の棚卸し:社内の情報システム関連業務をリストアップし(ヘルプデスク対応、インフラ運用、セキュリティ管理など)、各業務にかかる時間やコストを算出します。
- 課題の洗い出し:社内リソースの不足やシステム運用の負担、コスト面などの課題を洗い出します。
- アウトソーシングの目的を明確化:コスト削減を目的とするのか、業務効率化を狙うのかなど、目的を明確にします。どの業務をアウトソーシングすべきか、優先順位をつけることも重要です。
・移行計画と効果測定の設計
業務移行のスケジュールや手順を明確にし、効果を測定するKPIを設定します。
移行スケジュールについては、どの業務を、いつ、どのように移行するかを明確にすることが重要です。社内のシステムや業務プロセスをドキュメント化し、ベンダーと共有しておくと良いでしょう。効果測定のKPIとしては、コスト削減効果や業務効率向上、対応品質の向上などの具体的な指標が改善されているかを定期的に評価することが重要です。段階的な移行により、リスクを最小限に抑えながら効果を確認できます。
5.情シスアウトソーシングの今後の展望と導入ステップ
(1)DXとクラウド化がもたらす情シス部門の役割変化
デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進とクラウドサービスの普及により、情シス部門の役割は従来のシステム管理からビジネス変革の推進役へと変化しています。
こうした変化に対応するためにも、定型業務のアウトソーシングによる戦略的なリソース配分が重要となっています。
(2)AIとRPA活用による運用自動化の進展
AI技術やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の発展により、情報システム業務の自動化が進展しています。
こうした変化を受けて、アウトソーシングを行う企業は最新技術を活用した運用効率化を提案し、より高度な付加価値提供へとサービスを進化させています。
「OpeLightサービス」の詳細や資料請求・デモ依頼など、
ぜひお気軽にお問い合わせください
情シスアウトソーシングは、IT人材不足やコスト削減の課題を解決し、企業の競争力向上に貢献する有効な手段です。適切な業務範囲を設定し、信頼できるパートナー企業を選定することで、メリットを最大限に活用できます。
一方で、コミュニケーションの工夫やセキュリティ対策の強化が必要となるため、導入時には慎重に計画し、委託する業務内容を精査したうえで適切なパートナー企業を選ぶことが大切です。

当社の「OpeLightサービス」は、運用診断から具体的な運用支援まで一貫したサービスを提供し、企業のITシステム運用の最適化を支援します。
ITシステム運用をトータルサポートする「OpeLightサービス」では、運用診断サービス・運用設計サービス・オンサイト運用サービス・リモート運用サービスの4つのサービスと、クラウド(SaaS)型運用管理システムのOpeLightシステムを提供しています。
これにより、ITシステム運用における課題の見える化、運用体制の最適化、ITシステムの共通化を実施し、コスト低減、安定したシステム運用を実現します。
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